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「なんもしない人(ぼく)を貸し出します」。約2年前にTwitterに投稿されたこの一文は、瞬く間に拡散され大きな話題を呼んだ。
発信元は「なんもしない」を仕事にする“レンタルなんもしない人”。
こんばんは
働かずに稼ぐ!?
現実にはいるようです。なんとTwitterのフォロワーが24万人!!
なんもしない人、って?— kazublog (@Nqi19380H) November 28, 2019
当初サービスは無料で、「飲み食いと、ごく簡単な受け答え以外、なんでもできかねます」と言いつつも、その人気はすさまじく、フォロワー数は24万超え。
だが、「ザ・ノンフィクション」(フジテレビ系列)に出演した際、妻子があることがわかり、「無料でどうやって生計を立てているの!」とアカウントが炎上。
その結果、9月16日から成立した依頼1件につき1万円と有料化した。
図らずも「なんでもない自分と時間をカネに換える」先駆者となったのだ。
レンタルなんもしない人氏のプロフィール!
既婚者で1児の父。「なんもしないこと」を自分を全国各地に派遣する“レンタルなんもしない人”サービスを展開中。
著書に「(レンタルなんもしない人)というサービスをはじめます」(河出書房新社刊)など。
レンタルなんもしない人が1万円で売ったもの
- 仕事をさぼらないようにただ横で見守ってほしい。
- 女性1人だと行きずらい新宿二丁目に同行してほしい。
- なにもかくしごとをしないで済む人と会話をしたい。
レンタル氏がこのビジネスをはじめたきっかけは!?
特にこれと言った明確な理由はないのですが、僕自身いろんな挫折や行き詰まりを経験する中で、
僕は「●●をやりたい」じゃなくて、「〇〇をやりたくない」という消去法で道を選んできた気がします。
できるならストレスは感じたくないし、労働もしたくない。じゃあ素直に「なんもしない人」でいいじゃないかって。
他にも、Twitterで働かずに人に奢られて生活してる“プロ奢ラレヤー”さんの影響もありますね。いろんな要素が重なって、今の活動に至りました。
依頼者の相談事にもアドバイスはしない
いつでもどこでも、レンタル氏はなんもせずに存在するだけのサービス。依頼はどんなものが多いのだろうか。
世の中には、アドバイスを求めるより「ただそこにいてほしい」「ただ話を聞くだけでいい」という人がいることをはじめて知りました。依頼は悩み相談もありますが、僕自身は他人にアドバイスをするのは嫌いなんですよ。
口を出すということは、相手の人生に責任を負うことになってしまうから。
あとは僕の意見を求めているのではなくて、話すことで考えがまとまるという人もいます。
なかには自身のワードやパワーポイントで事細やかな資料を作成し、語るだけの人もいるとか。
まるでプレゼンみたい。その作業をすることで頭の中が整理されるらしいです。
ほかには10人以上の人格をもつ多重人格のかたとお会いしたんですが
それぞれ別の人格で僕に依頼をしてくれることもあって。僕は相槌を打ちながら聞いているだけです。
時には変わった珍依頼尾も舞い込んでくる!?
普段は絶対に言えない不倫相手の名前を、人前で言ったら自分がどんな感情になるか知りたい!という依頼もありました。
僕にとってはただの他人の名前なので、聞いてもなんの感情もわかずに「へえ」で終わる。
「言ってみてどんな感情になりました!?」とも聞かない。“なんもしない”わけですから。
相手も聞いてほしいわけではないので、自然と次の会話に話が映る。それぐらいの感じが楽ですね。
実は繊細なところもある、レンタル氏!?
もともと人からのプレッシャーに弱いところがあって。
仕事で怒られるのはもちろん嫌なのですが、褒められるのもあんまり好きじゃないです。
褒められると自然と次の仕事のハードルが高くなりますよね。
でもこのサービスは、最初から「なんもしない人」と言っているので、過渡に期待されなくて楽です。
沈黙も苦にならないし、相手も僕になにかしてほしいわけではない。
“なんもしない”からこそ関係が成り立っているんだと思います。
有料化したことで、収益はどれくらいになったのか!?
それまでにメディアに取り上げられると1日50件くらい依頼のダイレクトメールがきたのですが、今は1日10件くらいに落ち着きました。
日によって差はありますが、だいたい1日3~4件くらいのペースで稼働しているので、収入は×1万円です。
サービス自体はなんのストレスもないので、ほっといたら詰め込み過ぎてしまうくらい。
でも月に2,3日は休みをとって家族と過ごす時間を作ったり、家庭にもしっかりお金を入れています。
どうやら同年代のサラリーマン以上に稼いでいるようで、なかなか好調のよう。
最後に自分をお金に換えるためのコツを聞いた。「繰り返しになりますが、アドバイスはできません」なるほど何ともらしい答えだ。
レンタルなんもしない人氏が示す新たな稼ぎ方こそ、令和時代の象徴と言えるかもしれない。