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新型コロナの業績悪化から企業を救う「永久劣後ローン」って!?

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新型コロナウイルスの感染拡大が、あらゆる経済活動に影響を与えている。大手を含む事業者の多くは、資金繰りなどの厳しさに耐えながら生き残りを模索している

来年春に卒業予定の大学生を対象にした採用活動について、中小企業の8割以上が新型コロナウイルスの影響を受けていて、その半数以上が説明会などの中断や延期をしている

 
 

全体の79.2%の企業が「マイナス業績が発生している」、あるいは「発生する見込み」と窮状を明かした

 

倒産する企業も続出!?

 

高級紳士服「ダーバン」や「アクアスキュータム」などのブランドを展開するアパレルメーカーのレナウンは5月15日、東京地方裁判所から民事再生手続き開始の決定を受けた

帝国データバンクは、今年の倒産(負債一千万円以上、法的整理)件数が、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で七年ぶりに一万件を超すとの見通しを明らかにした

 
 

新型コロナウイルス関連の経営破たんは全国で166件(倒産109件、弁護士一任・準備中57件)

 

多くの救済措置が実施されてる!?

 

新型コロナ禍で事業環境が悪化している昨今だが。国や自治体は、事業者に向けた支援策を多数打ち出している

日銀は4月の会合で、国債買い入れの上限撤廃に加え、企業が資金調達のために発行するCP(コマーシャルペーパー)や社債の購入額の増額など、2会合連続での金融緩和を決定

 
 

「信金中央金庫」は、新型コロナウイルスの影響を受ける中小企業に対して融資にとどまらず、出資によって支援をする仕組みを検討する

 

注目されているのが「永久劣後ローン」!?

政府は二次補正や関連する追加財政投融資計画で、資本注入に加え、返済順位が低く資本の一部とみなされる劣後ローンによる融資など、企業向けの資金支援を大幅に積み増す方針

金融業界関係者や学者から、返済の優先順位が低い「永久劣後ローン」の実施を求める声があがる

 

一つの可能性が、前回(5月15日)のブログでも触れた資本政策的な支援。優先株や劣後ローンの活用

 

「永久劣後ローン」って!?

劣後ローン」とは、他の特定の債権または一般の債権より支払い順位が劣るローンのことです

返済する際の優先順位が他の借り入れと比べて低い「劣後ローン(れつごろーん)」の内、その期間が「永久」であるようなローンのこと

 
 

『永久劣後』というのは、利子だけを払っていれば元本は返さなくてよい借金という意味

 

さらに詳細に!?

 

利子だけを払っていれば元本は返さなくてよい借金という意味。もちろん金利を払い続けたくない企業は、元本の返済時期を自分で選べるようにすればよい

返済の優先順位が一般債権に劣後する借入金であり、議決権も返済期限もない。余裕ができた段階で返済でき、財務的には実質エクイティ(自己資本)として機能

 
 

資本性劣後ローンとしてお金を借りた場合は、借りたお金は自己資本と見なされますので、自己資本比率は悪化しません(むしろ良くなります)

 

永久劣後ローン、で業績悪化を改善できる!?

 

全国186万社の資本金1千万円未満の中小企業では、売上高が3分の2に落ち込むと23兆円強もの損失が発生する。この状況で中小企業が最低限の経営体力を維持するためには、5兆円規模の永久劣後ローンを用意する必要がある

企業側にも銀行側にもモラルハザードとなる可能性がありますので、そこの歯止め策はしっかり考える必要がある

 
 

『ゾンビ企業』を生きながらえさせていいのかという声を聞くが、逆に健全な企業までつぶしてしまってよいのかと言いたい。今回は普通の経済危機ではない。20年、30年という時間軸で対応する必要がある

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